レンタルオフィス「METSオフィス」運営責任者のオバタです。
JR東日本が運営する「STATION WORK」など大手企業がオフィスサービス事業に力を入れつつある昨今、駅だけでなく商業施設にブース型のオフィススペースを設置する「テレキューブ」というサービスが注目されはじめています。
このような流れの中、新たなオフィスサービスと既存の個室やスペースを貸し出しているレンタルオフィスは何が違うのか?を理解されていない方もいらっしゃるかと思います。
当記事では、これらの違いについて要点をまとめてわかりやすくお伝えさせていただきます。
興味がある方はぜひ目を通してみてください。
テレキューブとはどのようなサービスなのか
テレキューブサービス株式会社が提供する「テレキューブ」は、オフィスビル・商業施設・駅構内などに設置された個室型のブースを1回15分単位で利用できるサービスです。
サイズはひとり用が幅1200、奥行1200、高さ2315(単位:mm)となっており、防音・簡易デスクと椅子あり・電源利用可とスキマ時間に利用する分には問題ない最低限の設備が整っています。
同種のサービスにはJR東日本が各主要駅で展開している「STATION WORK」などがありますが、基本的なコンセプトやサービス概要は大体同じという認識で問題ありません。
テレキューブはJRが持つ鉄道インフラをそのまま使えないため、駅以外の商業施設や空港などに設置していくことで差別化を図っているものと考えられます。
ユーザー目線の言葉でまとめるなら「駅や商業施設に置いてあるブース型の手狭な防音個室」が適切でしょう。
テレキューブとレンタルオフィスの違い
まず、ここで言う「レンタルオフィス」は契約中なら24時間いつでも自由に利用可能な個室やスペースとして話を進めさせていただきます。
テレキューブとレンタルオフィスの決定的な違いは、そこがビジネス拠点であるかという点です。
レンタルオフィスを借りると、ビジネス拠点としてウェブサイトや名刺などに記載できる「住所」も借りることになります。個室やオフィス設備を借りるだけがレンタルオフィスの役割ではありません。契約中はいつでも、ルールに反しない限り自由に使える自分だけのビジネス拠点。それがレンタルオフィスなのです。
一方、テレキューブは駅や商業施設に設置されたブースを一時的に借りて利用するタイプのサービスで、ビジネス用途での利用はできてもその住所(例えば駅など…)をウェブサイトや名刺に記載して使うことはできません。個人や法人あての郵便や宅配物を受け取ることもできませんし、お客様を呼んで対応するための設備もテレキューブ自体にはありません。
ビジネス拠点として個室だけでなく住所やオフィス設備を使いたい場合はレンタルオフィスを、スキマ時間にちょっと仕事やウェブ会議をしたいといった場合にはテレキューブを。それぞれの役割に応じて適切な使い方をしましょう。
テレキューブは既存のオフィスサービスとは競合しない
ここまでお読みいただければ、テレキューブはオフィスサービス(レンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス)などの代わりになるものではなく、必要な人が併用するサービスであるということがご理解いただけたかと思います。
これまでも出先で「1時間空いたから少しだけデスクを使って仕事したい」「次の場所に移動する前に防音の静かなところでウェブ会議したい」といったニーズは間違いなくあったはずです。
しかし、喫茶店やネットカフェ、貸し会議室、シェアオフィスの時間貸しといった出先のスキマ時間に使われてきたサービスには手軽さの面で欠けていた部分がありました。
駅や商業施設で手軽に使えるブース型のオフィススペースはそこにマッチしており、まさしくスキマを狙ったビジネスであると言えるでしょう。
ただしテレキューブのようなサービスに対するニーズは、「主たるビジネス拠点あってこそ」のものでもあります。
少なくとも現状ではブース内だけでビジネスを完結させることは現実的ではなく、「ビジネス用の住所」を借りられない以上、レンタルオフィスや貸し事務所の代わりになる可能性は法的視点から見ても限りなくゼロに近いと思います。
テレキューブを1ヶ月間、24時間借りたらいくらかかるのか
15分単位の利用料金は個人・法人問わず275円。
1時間だと1,100円、24時間借りると26,400円となります。
仮にレンタルオフィスのように30日借りるとすると792,000円。さすがにこのような利用方法は想定されていないと思いますが、ネットカフェなどと比べるとかなり割高になります。
なお、法人だと基本+従量のプランがあるようです。100時間までで月々88,000円のプランの場合は、15分単位で100時間借りた時と比較すると23,000円ほど安くなります。
基本的には30分程度から1時間のスポット利用を想定したサービスとのことで、短時間だからこそなんとなく許容できるレベルの価格設定なのだと思います。24時間居座るならホテルに泊まったほうが圧倒的に良いのは間違いありません。
まとめ
当記事ではビジネス利用に焦点を当てレンタルオフィスと比較して取り扱ってみましたが、テレキューブなどのブース型スペースはビジネス利用だけでなく自習や休憩などの用途での利用も想定されたサービスです。
防音やオートロックなどの機能があり無人で運営できる点などを鑑みれば15分で275円は妥当なのでしょうけど、率直に言えば安くもないかなという印象ですね。一般人・ワーカー問わずどちらかといえば裕福な層をターゲットにしているのはなんとなく察することができます。自習で1時間1,100円払える学生が今の日本にあふれているとも考えにくいです。
便利で絶対あったほうがいいけど一般層まで普及せず伸びなかったサービスとなる可能性もあるのかなと思います。個人的にはもっと色々な場所に設置してほしいので今後の展開には期待したいところです。
記事内では個室やスペースを借りるタイプのレンタルオフィスとは競合しないと書きましたが、会員以外の一般ユーザーに時間貸しをしているシェアオフィスの場合は思いっきり競合しているのでその点については念の為最後に言及しておきます。
弊社が運営中のMETSオフィスではシェアスペースの時間貸しには対応しておりませが、東京都内の新宿区や中央区で格安のレンタルオフィスをお探しの方からの相談を随時受け付けております。オフィスサービスに関して何かお困りの際にはお気軽にご相談ください。