レンタルオフィス「METSオフィス」運営責任者のオバタです。

レンタルオフィスから事業拡大等の理由で事務所に移転したい時、次の物件探しに苦労される方は少なくありません。方法としてはご自身で探されるか、ツテから紹介された物件の中から選ぶかの二択で、条件に合う物件が見つかるかはその時の運次第。中々に骨の折れる作業になります。

当記事では、主にレンタルオフィスから事務所に移転したい時のケースを想定した探し方や注意点、交渉のコツなどについて解説します。レンタルオフィスを探している方にも通用しますので、興味がある方はぜひ目を通してみてください。

目次

ツテを頼れそうな場合

例えば今レンタルオフィスまたはバーチャルオフィスを借りているといった状況であるならば、その会社に移転したい物件の情報を伝えて候補がないか聞いてみるという方法があります。

このような要望に対応してくれるところもあれば、完全非対応としている会社もあるので解約手続き前にそれとなく確認してみると良いでしょう。(ちなみに弊社が運営しているMETSオフィスでは移転サービスとして同様のご相談を受け付けております。)

探す側として最低限必要な情報は、移転を希望する物件の「最寄り駅(徒歩何分~の希望も)」「平米数(坪数)」「希望賃料」「間取り(何坪のスペース+会議室、ワンフロア等)」「希望階数」「交渉したい事柄」などです。

紹介を受けられそうなのであれば担当者にこれらの情報を伝えておきましょう。すべての希望条件に合う物件が必ず見つかるわけではありませんので、その点は予めご了承ください。

ご自身で探す場合は

希望の条件に限りなく近い物件を探したいのであれば、ご自身の手で複数のオフィス系ポータルサイトを片っ端から探していくことを推奨します。

借り手目線で考えればひとつの巨大なポータルサイトで探したいところですが、ポータルサイトは全く万能ではなく、広告料を支払っている物件しか載せてないとか、物件オーナーが無料で掲載できるという条件でも登録申請されていない物件は非掲載といった罠があります。

特に不動産関連のポータルサイトはその傾向が強く、複数のポータルサイトをチェックしないと見つからない物件は確実にあります。また、昨今では仲介手数料無料やキャッシュバックを謳うサイトもあるため特典を利用できるのであればそのサービスを利用したほうがお得に移転できます。

複数のポータルサイトを利用する利点はもうひとつあって、条件を指定すれば運営側で探した物件をメールまたは電話で通知してくれるサービスが利用できます。そのようなサービスがないサイトでは利用できませんので、利用できるところでは積極的に使ってみると良いでしょう。

ポータルサイトを使った探し方事例

オフィス系ポータルサイト・オフィスリー

URL: https://officely.jp/

当記事ではデモとして、物件登録数15万件~、賃料の15%キャッシュバックが売りの「オフィスリー」をポータルサイトを使った移転先事務所探しの事例に活用してみます。

他にも仲介手数料が無料のサービスなどがありますが、まずは契約時の特典よりも「登録物件数が多いサイト」「独自の物件を扱っているサイト」から情報を集めることを推奨します。

複数のポータルサイトに共通して掲載されている物件に決めたい時は、特典を利用して最もお得に契約できるサービスを使えばOKです。

条件絞り込み時の注意点

オフィスリー・物件の探し方事例1(条件絞り込み)

まずは路線や駅などで絞り込み、ここからさらに細かい条件を指定していきます。

いきなり最初から厳しい条件で絞り込むと希望物件を探しづらくなるので、まずは「賃料」「坪数」「駅までの徒歩分数」などで絞り込んでいきます。

例えばここで最初から「初期費用」も追加で絞り込みをした場合、敷金や礼金の総額によって希望賃料の物件が出てこなくなる可能性があります。坪単価は賃料のみで絞り込んだあとに追加で指定するといった手順を踏んだほうが確認漏れを防げます。

築年数については、オフィスビルは古いものが多いので基本的には空欄にしておきます。指定しても構いませんが新しな物件は相場よりも賃料が高い場合が殆どです。また、地域によっては新築・築浅の物件がない場合もありますのでご注意ください。

「募集中物件のみ表示」「賃料非公開物件は除く」などは最初からチェックを入れておきます。他ポータルサイトを使う場合も探しづらくなる情報が出てこないようにするとスムーズです。

ポータルサイトによっては会員登録してログインした状態でないと閲覧できない物件もあります。そのような物件も含めて検索したい場合は必要に応じて会員登録を済ませておきましょう。

絞り込んだ物件を確認する時の注意点

オフィスリー・物件の探し方事例2(条件絞り込み後)

慣れている方であれば問題ないと思いますが、契約形態と再契約が可能であるか、備考欄にそれとなく大事なことが書かれていないかは必ず確認してください。

定期借家契約では再契約ができない場合もあるため、明記されていないようであれば問い合わせて確認しましょう。契約形態について特に記載がなくても確認することを推奨いたします。

入居希望日がある場合は即日入居できるかも確認が必要です。内装については基本的に自己負担である程度は許容されますが、過度な要望がある場合は事前に確認しておいたほうが良いです。

あとは一般的な貸し事務所を探している場合、基本的には什器やオフィス家具はない状態が前提となるため設備の確認はトイレなどの水回りだけになるかと思います。床がフローリングなのかカーペットなのか、または別の素材なのか等が記載がない場合は確認するようにしましょう。

複数のポータルサイトで同様の作業を行います

ひとつの物件を探すところまでデモを行いましたが、この作業は条件検索で出した物件すべてチェックするまで行います。そして別のポータルサイトでも同様にチェック。

オフィス系ポータルサイトはひとつだけではないので「オフィス 移転」や「事務所+地名」などのキーワードで複数のポータルサイトを探して調べていきます。

それなりの根気と時間が必要で大変ですので、前述した「物件紹介サービス」を利用できるサイトは積極的に利用しましょう。ご自身で探しつつ並行すると効率が良いです。

面倒だし妥協してもいいという方は、お気に入りのサイトひとつだけで探しても構いません。物件紹介サービスはメールだけでなく電話で利用できるところもあるため、ご自身で調べる物件数を最小限に留めることもできます。ただし前述したようにそのサイトでは取り扱ってない物件には出会えなくなりますのでご了承ください。

契約前に行う交渉のコツ

お気に入りの物件が2、3つ見つかったら交渉に進むわけですが、気をつけるべきポイントがいくつかあります。

まず第一に、というかこれが全てなのですが一方的かつ無茶な要求はしないことです。至極当然なことなのですがこれが出来ないという方は一定数いらっしゃいます。

賃料や敷金・礼金あたりについては、大抵の物件オーナーは「全く応じられない」または「少しくらいなら交渉しても構わない」程度の感覚でいると思っていたほうが良いです。借り手が「物件ボロいし借り手も中々ついてないみたいだから強気でもいけそう」と思って無茶な要求をすると審査前にお断りとなる場合もあります。

アフターコロナの社会では、貸しオフィスや貸し事務所の経営状況が芳しくない会社もあります。そこに「借りてやるんだから」といった態度で交渉するのは得策ではありません。(そもそも既に賃料をそれなりに下げているところもあるので注意が必要です)

「私たちもコロナ禍で厳しい、そんな中でも事務所を借りて頑張りたいと考えているので~」といった形で入って無理のない範囲で(フリーレント1~2ヶ月など)特典を付けてもらえないか確認するところから入るといった工夫をするだけでも印象が変わります。

嘘ではないことが前提ですが、末永く使っていきたいアピールも有効な場合があります。物件オーナーはなるべく良いテナントさんに長く利用してもらいたいと考えているケースが多いです。

事務所を借りる際に交渉をすること自体は悪いことではありません。お互い気持ちよく契約できるよう、譲歩できるラインを見極められるように話を進めていければベストです。

まとめ

バーチャルオフィスから個室やスペースタイプのレンタルオフィスへ移転する時は契約中のサービス内または他社サービスで探す場合が殆どですが、レンタルオフィスからの事務所移転に関するご相談を個人的にされることが多かったため当記事に情報をまとめてみました。

不動産屋が物件を探す際はレインズという大本の不動産物件システムをまず利用するのですが、基本的に一般の方は利用できません。レインズを使っても探せない地元の不動産屋しか扱わない物件もあったりするのでひとつの情報源から理想の物件を探すことは非常に難しいと言えます。

オフィス系ポータルサイトについても同様で、あるサイトには掲載されている物件がこちらにはないという場合もあります。逆に殆どのポータルサイトに掲載されている物件もありますし、このような状況についても多くの情報に触れてもらうことで理解が進み、より条件に合う物件を探せるようになるはずです。

何にせよ、理想が高いほど条件に合う物件を見つけるのは難しくなります。時の運もありますので、妥協できるラインを決めておくのもとても大事なことです。

METSオフィスでは、オフィス移転サービス(日本全国対象)を取り扱っており、ご相談は随時受け付けております。機会がありましたらぜひご利用ください。