レンタルオフィス「METSオフィス」運営責任者のオバタです。

ネットが爆発的に普及してから数年が経ち、web広告の種類や質もそれに比例して進化してきました。そんな中、いまだにネットからの集客がよくわからない、苦手だという起業家の方もいらっしゃるかと思います。

今回は、「ホームページに集客したいけどweb広告のことがよくわからない…」そんな方々のためにweb広告の種類とその選び方について簡単にご説明させていただきます。

広告と聞くと高額な費用をイメージされる方もいらっしゃるかと思いますが、最新のweb広告では数円~数十円程度のコストで1人のお客様をホームページに呼ぶことも可能です。

今までネットの広告には触れてこなかったという方も、この機会に少しだけでもweb広告に触れてみていただければ幸いです。

目次

はじめに

web広告は、集めたいアクセスの質によってかかる費用が大きく変わってきます。

低関心層 商品・サービスを知らない、関心がない
潜在層 潜在的なニーズあり、初回コンタクトを取りたい層
顕在層 顕在的なニーズあり、コンバージョンを狙いたい層
顧客層 自社商品・サービスを利用中、または使ったことがある層

どの広告を使うかと同時に「どの層のアクセスをどれだけ集めるのか」を考えないと無駄に費用がかさんだり集めたアクセスが少なすぎて成果が全然出ない等の残念な結果に終わるおそれがあります。

各web広告は条件による絞り込み機能(キーワード、地域、時間帯、年齢、性別、趣味嗜好など)が充実していますので、出せる予算と相談しながら集めたいアクセス数や見込み客の条件についてイメージしておきましょう。

①「今すぐ客」には検索連動型広告

検索連動型広告とは、検索エンジンの検索結果ページに出てくるテキスト型のweb広告のことです。

検索連動型広告

検索エンジンのシェアはGoogleとYahoo!の2社が大半を占めるため、この2つのどちらか、または両方に広告を出稿するのが基本的な利用方法となります。

これらの広告は任意のURLに飛ばすことができるため、ホームページのトップや専用のランディングページなどを指定してアクセスを呼べる仕組みとなっています。

広告費は、1クリックあたりいくらという形で支払います。1クリックあたりの単価は検索キーワードによって異なる『入札型』となっており、商材やサービスによっては1クリックで1,000円を軽く超えるものもあります。

検索連動型広告・推奨入札単価の例

1クリックの単価が100円のキーワードで1000アクセスを集める場合、広告費は10万円必要になり、広告が1000回クリックされ10万円を使いきった時点で広告は表示されなくなります。

検索連動型広告は『ユーザーが検索するキーワード』に対して広告を配信する…いわゆる『今すぐ客』には最適ですが、ターゲット像を広げすぎて購買に結びつかないキーワードを多用すると広告費がかさみ費用対効果が悪くなったり赤字になるおそれがあります。

検索連動型広告を低コストで効率よく使うためには、広告を出稿するキーワードを厳選する、地域や年齢等の条件でできる限りターゲット像を絞り込む、等の施策が有効です。

②幅広い層へ広告を見せたい、再訪ユーザーを狙いたいならディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、多種多様なサイト上の広告枠に出てくるテキスト・バナー・動画型のweb広告のことです。

ディスプレイ広告の例

こちらも検索エンジンのシェアはGoogleとYahoo!の2社が大半を占めるため、この2つのどちらか、または両方に広告を出稿するのが基本的な利用方法となります。

検索連動型広告と同じように、広告をクリックしたユーザーは指定した任意のURL(ホームページのトップ、ランディングページなど)に飛ばすことができます。

広告費は1クリックあたりいくらという形で支払います。1クリックあたりの単価は入札型で、検索連動型広告と比べるとクリック単価は安めです。

ディスプレイ広告はキーワード等の条件で絞り込みすぎると広告が表示されなくなったりするため絞り込みを甘くせざるを得なくなり、ニーズが潜在的なユーザーやほとんど興味のないユーザーにクリックされる回数がどうしても多くなります。

その分検索連動型広告に比べクリック単価を抑えられるので、基本的には表示回数を増やして広い層に認知してもらうことを目的として使うと良いでしょう。

成約率を高めるリマーケティング・サイトリターゲティング広告

ディスプレイ広告の機能のひとつとして、サイトに一度訪問してくれたユーザーをリスト化してリスト別に広告を配信できるリマーケティング広告(Google)とサイトリターゲティング広告(Yahoo!)というものがあります。

どちらも基本的には同じ機能ですが、名称と各管理画面での操作方法などが異なります。

これらの広告を使うことで一度サイトに来たユーザーに限定した特別な広告を出すことができるため、再訪率・成約率を高めることができます。

動画で見せたいサービスにはyoutube広告

Googleのみとなりますが、ディスプレイ広告の機能でyoutubeに広告を出すことができます。

広告費は1再生あたりいくら、という形でGoogleに支払います。単価は基本的には1再生数円~数十円程度。広告表示オプションで条件の絞り込みが行えるほか、動画が始まる前や後、動画中など「いつ広告を表示するか」を選ぶことができます。

取り扱う商材やサービスによっては動画による広告の向き不向きがあると思いますが、圧倒的なアクセス数を誇るyoutubeに安価で広告を出すことで簡単にアクセスを集めることができます。

③ネットの拡散性を利用したいならソーシャルメディア広告

現状では最もアクセス数が見込めるソーシャルメディアであるfacebookやtwitterにも広告を出すことができます。

これらソーシャルメディアは商材やサービスによっては費用対効果が悪くなることもあるため、初めて出すweb広告としては難易度が高めです。

高い効果が期待できる商材やサービスの例として、スマートフォンアプリの宣伝や飲食店等店舗の割引クーポンの配布等があります。

④成果報酬で広告を出したいならアフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、商品購入やサービス利用等の成果に対して広告費用を支払う成果報酬型の広告のことです。著名なサービスに「A8」などがあります。

基本的な流れは、アフィリエイトプロバイダーと契約→広告を掲載するホームページ運営者(アフィリエイター)を募集→アフィリエイターが広告を掲載→アフィリエイター経由で商品が売れる→アフィリエイターは成果報酬を支払うという仕組みになっています。

成果報酬という形態なので顧客獲得単価をコントロールできますが、基本的にアフィリエイターは「うまい案件」を優先的に扱うため、報酬率が低かったり売れるかわからないような商材は敬遠されがちとなるため商品を扱ってもらえない→成果が全く出ないといったことがごく当たり前に起こります。

報酬率だけを上げるとお客様目線では全く得がないため、アフィリエイト広告を利用する場合は扱っている商材やサービスが「アフィリエイト広告に合っているか」という点を慎重に熟考する必要があります。

まず低予算で広告を出したいのであれば

とりあえず手始めに低予算で広告を出してみたいということであれば、リマーケティング・サイトリターゲティングを推奨します。

まずGoogleのAdWordsとYahoo!のプロモーション広告にそれぞれ登録し広告費を入金し、各管理画面でリマーケティング・サイトリターゲティングのタグを発行してアクセスを集めたいホームページに貼り付けます。

ホームページにタグを貼り付けた日から、サイトに一度訪問してくれたユーザーに対して広告を配信しはじめることができます。

自社のサイトを一度見たユーザーで興味を持ってくれた方が広告をクリックした時に魅力的なオファーが表示されるよう工夫すると良いでしょう。

顧客獲得単価とコンバージョンについて

web広告に限らず、広告を出す上で重要なのは「顧客獲得単価」の設定になります。

顧客獲得単価とは、コンバージョンを1件獲得するのにかかった広告費のことです。

コンバージョンは扱う商材やサービスによって内容が異なり、ただ単にサイトへの訪問をコンバージョンとする場合や、問い合わせや資料請求、商材の販売をコンバージョンとするケースなど様々です。

レンタルオフィスを例に出すと、月々の賃料が10万円の個室があれば粗利やリピート率等を一切考慮しなければ1件の契約を取るまでに10万円の広告予算を使えるということになります。(実際はレンタルオフィスは継続的に利用していただけるサービスなので粗利を計算したとしても1件契約を取るのに賃料数ヶ月分程度の予算を投入することが可能です)

キーワード「レンタルオフィス」関連のクリック単価は数百円~千円を超えるものが多いのですが、1クリックあたりの単価が高いキーワードというのは基本的に顧客獲得単価を高めに設定しても利益が出るからという理由があるのです。

web広告を出す前に、「何をコンバージョンとするか」「1件成約を取るためにどれだけの広告費をかけることができるか」を前もって把握しておくことで、無駄に広告費をかけたりケチりすぎてうまくいかなくなる等のトラブルを回避することができます。

まとめ

web広告を出してみたいけどよくわからないし怖いからやらない!という起業家の方は、まずリマーケティング・リターゲティングを無理のない予算で行ってみると良いでしょう。

「自分が扱っている商材やサービスに関するキーワードのクリック単価はどれくらいなのか」
「現在、顧客獲得単価はどれくらいなのか」
「ライバルはどのようなキーワードでどんな広告を出しているのか」

この3点を把握するだけでもweb広告への理解は深まります。

自分でやりたくないということであればweb広告の運用代行業者に頼むこともできますがどうしてもコストがかかってきますので、まずは自分である程度挑戦して流れを把握し、その上でweb広告を自分で運用し続けるのか、代行業者に頼むのか等を決めていくと良いと思います。

何はともあれ、一切手をつけてないのであればわずかな予算でスタートしてみることをお勧めします。

自分が扱っている商材やサービスに関するキーワードについてほんの少し理解を深めるだけでも必ず新しい発見がありますよ。